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中国・タク州 武芸より商売の神?

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 北京から車で2時間ほどかけて河北省のタク州(たくしゅう)を訪れた。三国志ファンなら劉備(りゅうび)や張飛(ちょうひ)の故郷で、関羽(かんう)を加えた3人で義兄弟の契りを結ぶ「桃園の誓い」の場所としてご存じだろう。

 張飛といえば豪傑だが酒乱が原因でしばしば失敗し、兄貴分の劉備や関羽にたしなめられるイメージがある。しかし地元での人気は高く、彼の故居や桃園の誓いを模した庭園などが一体となった記念施設が整備されていた。一方で日本では人気がある劉備は記念碑がぽつんとあるだけで、三国志の登場人物に対して日中間で評価に差があることを実感した。

 その張飛を祭った廟(びょう)に入ると、職員が「これでお参りしなさい」と線香をくれた。しかし気軽に受け取ったのがまずかった。彼は「干支(えと)と生まれ年は? あなたの運気はこれこれで、こうしたら良い」と長々と語りだした。仕方がないので適当に相づちを打っていると「じゃあここに名前と住所を書いて。お布施の額は気持ちで良いから」。

 寄進が目的だったと気が付いた時は後の祭り。思わぬ散財をさせられたが、張飛は武芸よりも商売の神様の方が向いているのかもしれない。 (新貝憲弘)


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