私が人の良さそうな顔をしているかどうかはさて置き、上海の街を歩いていると、しばしば人に道を聞かれる。日本では経験しなかったことだ。
最近、スマホ片手に地図アプリを見ながら道を聞いてきたおばさんがいた。私が「それがあれば他人に聞く必要はないでしょう」と言うと、「これを見ても方向がよく分からない。人に聞く方が手っ取り早いのよ」。
スマホの地図アプリは便利この上ない。目的地を打ち込めば、地下鉄やバス、タクシー、徒歩それぞれの方法でどう行くのか、何分かかるのかがすぐ分かる。これを使って道に迷うのはかえって難しい。
私は初めて行った中国の地方の街でも道に迷ったことがないし、他人に道を尋ねたこともない。私に道を聞くのは、スマホが使えなさそうな人ではない。若者も平気で声をかけてくる。
ちなみに知人の中国人に先ほどのおばさんの意見をどう思うか聞いたところ、「私もそうだ」と大きくうなずいていた。
そこで私の仮説。(1)中国人は結構方向音痴(2)中国人は面倒くさがりで自分で調べない。同じような経験がおありの方、どうお考えだろうか。 (浅井正智)